うちわは古来より、暑い日に涼しい風を作りだす道具として使用されていたほかに、高貴な人の顔を隠すための道具であり、魔除けとしても使用されていました。
うちわは「打破」とも表現され、儀式などに用いられるうちわは神霊を招き、宿らせるという力が備わっていると信じられていました。神霊の力を奮い立たせ、その霊力を発揮させるものとして、また風を起こす事から、もっぱら憑きものを落とす目的で宮中の儀礼用や装飾用に用いられることが多かったようです。
それが戦国時代になると、軍を指揮する大将などが軍配うちわとして使用するようになりました。軍配は方位や方角、十二支、陰陽・天文・八卦、二十八宿、梵字などが描かれ、戦の未来の占いを占う、とても重要なものになりました。戦で勝利した際には、その戦でもっとも活躍した兵士に軍配うちわを贈られることもあり、それは兵士にとって最高の名誉でもあったのです。また僧侶は、どんな生き物もどんな理由であれ殺すなかれ。という殺生戒があったため、蚊やハエを追い払うためにも使用していたとされています。
こうしてうちわはさまざまな用途で古代から人々の間で使用されてきたのです。